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2013/05/24 第13回 "新規癌抑制遺伝子FLCNの機能解析"(馬場理也)

2013/05/07 15:30 に Yunke Song が投稿   [ 2015/12/02 17:24 に Administrator JSSB さんが更新しました ]
馬場理也
Urologic Oncology Branch, NCI, NIH

タイトル:
新規癌抑制遺伝子FLCNの機能解析

要旨:
私の所属している研究室(NCI, Urologic Oncology Branch)では、家系解析を通して遺伝性腎臓癌の原因遺伝子を同定してきました(VHL; Science1993, MET; Nature Genetics 1997, Fumarate hydratase;Am J Hum Genet 2003)。非常に稀な遺伝性腎臓癌症候群の一つである、Birt-Hogg-Dubé syndrome(BHD症候群)も、当研究室の研究対象の一つです。BHD症候群は、常染色体優勢遺伝の過誤腫症候群で、皮膚の過誤腫、肺の嚢胞・自然気胸、腎腫瘍を主徴候とします。BHD症候群の家系解析により、2002年に当研究室で原因遺伝子FLCNが同定されました(Cancer Cell 2002)。BHD症候群の患者は、loss of function が予想されるgermline mutationをFLCNにもち、腎腫瘍では2nd hit mutationがもう一方のalleleに見つかることより、FLCNは癌抑制遺伝子であると考えられます。FLCNがコードするFLCN(folliculin)は、579アミノ酸の新規たんぱく質です。バイオインフォマテイックスな解析では、既知の機能ドメインや他のたんぱく質との相同性が全くなく、アミノ酸配列からその機能を予想することは困難でした。私は2003年の3月よりNCIにおいて、FLCNの機能解析をテーマに研究をしてきました。新規遺伝子の機能解析はなかなか手ごわく、その機能の全容解明にはまだまだ至っておりませんが、結合たんぱく質の単離・同定、ノックアウトマウスの作成・解析を通して、幾つか新たなことがわかりつつあります。

その変異が遺伝性過誤腫症候群(Harmatoma Syndrome)を引き起こす癌抑制遺伝子には、生体内で不可欠な役割を持っているものが多々あります(PTEN ; cauden disease, LKB1 ; peutz-jeghers syndrome, TSC1/2 ; tuberous sclerosis complex, VHL ; von hippel-lindau disease)。今回のセミナーでは、どうやらFLCNもこれらの重要な癌抑制遺伝子と並んで大事そうだということを、お伝えしたいと思います。


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