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2012/05/30 第2回 ”核磁気共鳴現象を用いた脳の非破壊検査”(大石健一)

2012/09/11 6:50 に Administrator JSSB が投稿   [ 2013/01/07 10:52 に Yunke Song さんが更新しました ]
第二回 
2012/05/30

Dr. 大石健一
The Johns Hopkins University School of Medicine, Department of Radiology

「抜き取り検査」はさまざまな場面で用いられている基本的な検査手法です。例えば工場で製品を作る場合、出荷前に抜き取り検査によって品質を確認します。では人体の場合はどうでしょうか。癌を診断する場合、最終確認は癌が疑われる組織の一部を抜き取り検査して顕微鏡で観察します。これは生検といわれ、広く用いられている手法です。では脳の病気、例えばアルツハイマー病を診断する場合はどうでしょうか。診断を確定するにはやはり組織を顕微鏡で調べる必要があります。しかしながら、抜き取り検査を行うと切り取られた脳の機能は永久に失われてしまいます。そのため、特に脳を検査する場合は非破壊検査を行うことが重要になります。そこで登場したのが、脳の断面を無侵襲的に画像化することができる核磁気共鳴画像法(MRI)です。MRIは1980年代に商用機が登場してから急速に医療現場に普及し、現在では医療に必須となりました。このMRIの出現により、脳に特有の形態異常や信号強度異常が現れる病気、例えば脳梗塞、脳出血、水頭症、多発性硬化症などの診断精度は飛躍的に向上しました。しかしながら、形態異常/信号強度異常の診断特異性が低い場合や、巨視的に異常が現れず、顕微鏡レベルの検査でなければ異常が見つからない病気の場合、MRIの威力は限定的でした。ところが近年、従来のMRIでは観察困難であった微細構造/代謝/血流などを画像化する技術が次々と登場し、これらの臨床応用が期待されています。本セミナーではその中の拡散テンソル画像法(DTI)を紹介し、DTIを用いたアルツハイマー病診断の試みを紹介します。
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